私立小学校

札幌三育小学校が求めているもの

 子どもや教師の夢が育つ学校をつくろうと考え、マルチエイジクラスルーム(学年の枠をはずして、複数年齢の児童によって編成された学級)に取り組んで7年目を迎えました。
これまでに最適な学び場・遊び場(教育環境)づくりに力を注ぎ、学びへの関心と意欲を高めるためのいろいろな教育方法を試み、学ぶ楽しさを体得できるように教材づくりを創意工夫してきました。また、自然に親しみ、食を考え、働くことの尊さを体験するために労作教育を行ってきました。
  今から150年ほど前に、米国の教育家のエレン・G・ホワイト女史は、現代の競争心を植え付ける教育に警鐘を鳴らし、次のように指摘しています。
「真の教育においては、利己的な野心とか、権勢欲とか、人類の権利と必要を無視するといったような、世の災いとなるものはすべて否定される。(中略)神のご計画の中には利己的な競争の余地はない。『互にはかり合ったり、互に比べ合ったりしているが、知恵のないしわざである』(聖書)とある。すべてのことは、『神から賜わる力』(聖書)をもってなされなければならない。『何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から働きなさい。あなたがたが知っているとおり、あなたがたは御国をつぐことを、報いとして主から受けるであろう。あなたがたは、主キリストに仕えているのである』(聖書)と教えられている。(中略)子どもたちは幼い時分から負けじ魂と競争心を刺激されるような教育をうけて、利己心が養われ、あらゆる悪の原因が植えつけられる。こうして優越争いが生じ、『詰め込み』式の教育が奨励されて、ついには健康をだいなしにし、役に立たない人間にしてしまう場合が多い。一方また負けじ魂は不正直に発展し、野心と不満はこうじて人生をにがにがしくし、騒動を好む不穏な精神をもった人間で世の中が満たされ、社会はたえまない脅威にさらされる。」(E・G・ホワイト著『教育』p266~267)
 残念なことですがホワイト女史の指摘は世界規模で現実のものとなっています。1975年に国連で採択されたベオグラード憲章は、「社会や個人が直面するあらゆる問題を平和的に解決できる人間を育てるための教育、すなわち、世界が恒久的に平和で持続可能であるために、その社会を支える人づくりの教育」が必要であると訴えています。
「三育教育は、イエス・キリストに対する信仰によって、人間のうちに神の御像(みかたち)を回復し、地上における御業(みわざ)に献身する人物を育成する」との教育理念に基づき、競争より調和を実践するために、マルチエイジ教育で教育活動を行い、三育農園での農業体験をカリキュラムに組み入れ、生活科、理科、社会科、総合学習、聖書などの教えを体験的に学んでいます。
 子ども達は、人と自然、人と人との良好で積極的な関係を築く「能力」を、実践的に身につけています。そして、このような実践で身についた品性の実は、必ず子どもたちの一生の宝となります。

校長  大河原 一義