寄り添えるホリスティック・ナーシングを
実践できる看護職者の育成
学部長
村上 寛
Yutaka Murakami
本学の看護教育は、1928年にO.H.ゲツラフ看護の宣教師が東京衛生病院看護婦養成所の創設に遡ります。以来、90年間、社会の期待に応えるために、専門学校、短大、大学へと改組発展し、2020年4月に大学院修士課程を開設するに至りました。
この間、一貫して聖書の教えにのっとりホリスティック・ナーシング(全人的看護)を実践できる看護職者を約2000人輩出してきました。ホリスティック・ナーシングとは、身体、心理、社会、霊的(スピリチュアル)の各側面を統合した看護を意味します。この中でもおそらく最もなじみが少ないのはスピリチュアルの側面に対するケアではないでしょうか。
人にとって生老病死は避けて通れません。このような大切な場面で、看護職者は患者の喜びも悲しみも分かち合い、支えるという重要な役割を担ってきました。特に、一時的な心身の苦痛だけでなく、一生病気や障がいと共存しなければならないときや病気が治らないと知ったときに、闘病意欲を失い、生きる意味も見失い、不安にさいなまれる、いわゆる、スピリチュアル・ペインを経験することがあります。患者さんが闘病意欲を持ち続け、それがかなわないときは安らかな気持ちで最期を迎えられるよう、スピリチュアルケアも含めて寄り添う看護、ホリスティック・ナーシングが求められています。
ホリスティック・ナーシングを本学で一緒に学ぶことを歓迎します。
命を敬い、他者に尽くすキリスト教の教えはそのまま看護の精神に通じるもの。学生生活の全てがキリスト教に根ざしている本学なら日々の礼拝、講義前のお祈り、土曜日の礼拝、バイブルウィークなどを通して、キリスト教の本質的な価値観を体験し、スピリチュアルケアに関わる看護の精神を学ぶことができます。
キリスト教を土台に豊かな人間性とホリスティック・ナーシングを実践できる看護職者を育てるための多彩な科目が充実しています。実習面ではメインの実習病院である東京衛生アドベンチスト病院のほか、神戸アドベンチスト病院や東京警察病院(東京都)、公立長生病院(千葉県)、千葉県循環器病センターなどで最先端の現場を経験できます。
ホリスティック・ナーシング本学では多くの学生が寮生活を送ります。キャンパスでは禁酒禁煙で菜食のSDAのライフスタイルに基づく健康的な生活を送り、勉学に励むことができます。実習や国家試験に向けて24時間苦楽を共にする仲間との共同生活を通して、生涯の友にも出会えます。
都会の喧騒から離れた美しい自然の中に立地する大多喜キャンパスは、心を静めてキリスト教の精神や価値観に触れ、本学の目指す全人的教育を行うのに最適な環境です。多くの教員・職員も隣接する住宅に居住しており、授業を離れても学生と教員が親しく交流できることは、三育学院大学ならではの大きな特徴です。
キリスト教に深く根ざした大学として、他大学にはないユニークなボランティア活動が盛んです。学生が自主運営し、毎年アジア諸国で数週間、学校や教会建築などのお手伝いをする「ATI(アジアとともに生きる会)」や近隣のホールなどでの聖歌隊によるコンサートなど、身近なボランティア活動を通して、看護に必要な奉仕の姿勢を学びます。
※コロナ禍では自粛している活動もあります。
海外に数多くのSDA系列大学を持つ本学では、SDA系列大学の看護学部との実質的な交流および協力により、最新の米国の看護を学ぶことができます。またグローバルネットワークを活用した短期留学もでき、国際的視野を持った看護職者を養成します。系列大学院への進学サポートも万全。留学に必要な手続を積極的にサポートします。
全人的回復を目指す看護(ホリスティック・ナーシング)を理念として、これを実践できる看護職者を多く輩出しています。
3つの教育目標を掲げ、小人数制教育のもとで、早期体験学習など、多様な学習方法を取り入れています。
キリストの愛に根ざした人間性とホリスティック・ナーシングを実践する看護職者を育てます。
大学生活4年間の授業の流れをご紹介します。
小人数の学生を対象とした保健師課程を開設。地域住民が健康でそして障害や疾患をかかえていても自分らしく生活できるためのしくみづくりをします。